- けし
- I
けし(接尾)〔形容詞型活用〕体言などに付いて, そういう性質・状態にある意を表す。II
「見奉る人さへ露~・き秋なり/源氏(桐壺)」「のど~・し」
けし【消し】(1)消すこと。「~ゴム」「火~」
(2)文字などを消した跡。「見舞の状を書きかけ, ~の出来たのを引裂いて/油地獄(緑雨)」
(3)囲碁で, 相手の模様を狭めるためにその周辺に石を打つこと。 また, その着手。IIIけし【異し・怪し】(1)普通と違っている。 いつもの状態ではない。「あらたまの年の緒長く逢はざれど~・しき心を我(ア)が思(モ)はなくに/万葉 3775」
(2)不審だ。 奇怪だ。「この女かく書きおきたるを~・しう, …何によりてかからむと, いといたう泣きて/伊勢21」
(3)(程度が)はなはだしい。 ひどい。IV「宿世は知らねども, さるまじらひせむにも, ~・しうは人に劣らじ/宇津保(嵯峨院)」
けし【芥子・罌粟】(1)ケシ科の大形二年草。 東ヨーロッパ原産。 高さ約1メートル。 葉は緑白色で基部は茎を抱く。 初夏, 茎頂に紅・紅紫・白などの大きな四弁花を単生し, 球形の果実を結ぶ。 種子は小さく黒または白で多数あり, 芥子油をとるほか, パンや和菓子の飾りに用いる。 未熟の果実から阿片がとれるので, 一般の栽培は禁止されている。〔「芥子の花」は ﹝季﹞夏。 《己れ毒と知らで咲きけり~の花/虚子》〕(2)ケシ科ケシ属の草花の総称。 ヒナゲシ・オニゲシなど。(3)カラシナの古名。 特に, その種子。 食用・薬用とするほか, 仏寺で護摩をたくのに用いる。(4)「芥子玉(ケシダマ)」に同じ。(5)鎧(ヨロイ)の飾り。 こまかい鋲(ビヨウ)を飾りに打ちつけたもの。(6)「芥子坊主(ケシボウズ){(2)}」に同じ。(7)(名詞の上に付いて)きわめて小さいの意を添える。V「~粒」「~本」
けし【衣】〔動詞「着(ケ)す」の連用形から〕(「御衣(ミケシ)」の形で)ころも。「ぬばたまの黒き御~を/古事記(上)」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.